子供や高齢者が死亡した場合の慰謝料 - 宇都宮の交通事故弁護士
交通事故の被害者が無念にも死亡してしまった場合、深い悲しみの中にありながらも遺族は示談交渉に臨まなければいけません。
被害者の遺族は示談交渉で加害者に対し死亡慰謝料を請求することができます。
死亡慰謝料の基本知識
死亡慰謝料は「被害者本人」に対するものと「被害者の近親者」が受け取るものの2種類があります。また、慰謝料には3つの基準が設けられており、自賠責保険基準→任意保険基準→弁護士基準の順に高額な慰謝料を受け取ることができます。
あくまで一応の目安ですが、それぞれの金額の詳細は以下のとおりです。
自賠責基準
被害者本人慰謝料 | 400万円 | |
---|---|---|
遺族が受け取る慰謝料 | 請求権者1人の場合 | 550万円 |
請求権者2人の場合 | 650万円 | |
請求権者3人以上の場合 | 750万円 |
※被扶養者がいる場合は、遺族が受け取る慰謝料に200万円ずつ加算
※自賠責保険の支払基準が改正され、令和2年4月1日以降に発生した死亡事故については、新基準が適用されます。令和2年4月1日以前に発生した死亡事故については、死亡した本人の慰謝料は350万円です。
自賠責基準の請求権者は被害者の両親、配偶者、子供を指します。
弁護士基準においては一家の支柱は、父・母・子供など関係なく「経済的な支柱」となっている人を指します。その他は、子供や高齢者を指しています。
子供・高齢者の慰謝料の違い
弁護士基準における子供や高齢者には慰謝料の違いはあるのでしょうか。子供と高齢者に分けて、それぞれの死亡慰謝料について過去の傾向をご紹介します。
子供の判例
“小学生(男・7歳)の死亡慰謝料につき、横断歩道上の交通事故であり、被害者に全く過失がないと認められることを考慮し、本人分1800万円、父母各400万円、合計2600万円を認めた(東京高判平12.3.22)”
“男児(2歳)の死亡慰謝料につき、本人分1800万円、父母各200万円、同居の祖母200万円、合計2400万円を認めた(大阪地判平15.9.24)”
高齢者の判例
“男性(79歳)の死亡慰謝料につき、本人分2000万円、被害者を呼び寄せて同居していた長女300万円、長男100万円、合計2400万円を認めた(東京地判平20.7.7)”
“男性(88歳)の死亡慰謝料につき、本人分2000万円、妻100万円、子3人各50万円、合計2250万円を認めた(大阪地判平23.11.25)”
高齢者・子供に金額の差はない
子供と高齢者とでは余命などの違いもあることから慰謝料の違いがあるように思えます。実際、子供の慰謝料は慰謝料認定の範囲より金額が上回るものもありますが、ほとんどの判例でそれほど大きな金額の違いはありません。実際に余命年数の違いや被害者の年齢と慰謝料の金額を示す明確な基準はありません。
そもそも死亡慰謝料とは、被害者が死亡したことにより被害者の遺族が受ける精神的なダメージに対して支払われるものです。収入などに対して金額の基準値の設定はありますが、慰謝料の金額が個人の命の金額を示すものではありません。
適正な死亡慰謝料を受けるポイントは過失割合
被害者遺族が受け取れる交通事故による死亡慰謝料の金額のポイントとなるのは、過失割合です。過失割合とは加害者と被害者の間での、事故の責任の数値を示したものです。死亡慰謝料の請求の場合、示談交渉は被害者の遺族が行うのが普通です。
しかし、被害者は亡くなっているため、事故に対する主張はできません。場合によっては加害者側の一方的な主張により納得のいかない過失割合になるケースも十分考えられます。
その場合には、必要に応じて、提携のリサーチ会社に依頼をし、事故時の状況について、残された客観的証拠から可視化し再現する方法を採ることも検討致しております。被害者遺族の方が適正な死亡慰謝料を受けるには、交通事故に強い弁護士への依頼をおすすめします。
交通事故に強い弁護士であれば、専門知識も豊富なので示談金交渉についてもスムーズに話を進めることができます。さらに慰謝料は弁護士基準の金額を請求することができます。死亡事故に対する遺族の方の深い悲しみは計り知ることはできません。そのため、被害者遺族の方は適正な死亡慰謝料を受ける必要があるのです。
弁護士法人宇都宮東法律事務所は、交通事故被害者の支援に専門特化しており、これまで死亡事故についても複数取り扱ってまいりました。被害者のご家族様の心が少しでも癒えるよう、誠心誠意対応いたしますので、まずはお早めにご相談ください。