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軽度外傷性脳損傷(MTBI)で認定されうる後遺障害等級について

代表弁護士 伊藤 一星 (いとう いっせい)
弁護士法人宇都宮東法律事務所 代表社員(パートナー弁護士)
所属 / 栃木県弁護士会 (登録番号49525)
保有資格 / 弁護士

交通事故被害の衝撃で、頭を打ったり、強い揺さぶりがあったりすると、その衝撃で脳に損傷が加わってしまうことがあります。こうした脳損傷の中でも、WHOの基準によれば、30分以内の意識喪失や24時間未満の外傷後健忘があった脳損傷を、軽度外傷性脳損傷(通称MTBI)と呼びます。

軽度外傷性脳損傷について、後遺障害等級認定を受けることはできるのでしょうか。

この記事では、軽度外傷性脳損傷(通称MTBI)の後遺障害等級認定の概要と認定されうる後遺障害等級についてご説明します。

軽度外傷性脳損傷(MTBI)とは

軽度外傷性脳損傷を指すMTBIとは、Mild Traumatic Brain Injuryを略称したものです。

なお、MTBIの医学的な疾患名としては、米国脳神経外科学会の分類で、びまん性脳損傷、びまん性軸索損傷、局部性脳損傷とされています。

自賠責保険における高次脳機能障害認定システム委員会が平成23年3月4日に公表した「自賠責保険における高次脳機能障害認定システムの充実について」(平成23年報告書)では、MTBIの定義について、交通事故による外傷性の症状で、自動車損害賠償保障上の後遺障害認定対象となりうるものであり、その定義は「軽傷頭部外傷」後の「脳外傷」(脳の器質的損傷)であるとされています。

MTBIの診断基準について、同委員会の平成30年5月31日公表の報告書では、以下の通りの要旨としている。

  • (ア)以下の1つ以上を満たすこと(第1要件)
    ①混乱や失見当識
    ②30分あるいはそれ以下の意識喪失
    ③24時間以下の外傷後健忘期間
    ④その他の一過性の神経学的異常(例えば局所神経微候、けいれん、手術を要しない頭蓋内病変)
  • (イ)患者の外傷後30分あるいはそれ以上経過している場合は急患室到着時点でのGCSが13-15であること(第2要件)
  • (ウ)上記の所見は、薬物・酒・内服薬、他の外傷治療、他の問題あるいは窄通性脳外傷によって起きたものではならない

「軽度」の意味は、交通事故の際の意識障害の程度や意識障害の持続期間が比較的軽度であったということになります。

しかし、衝撃が軽度であっても、発症する症状が軽度ということでは必ずしもありません。MTBIの場合、事故の衝撃が軽度で、事故直後のCT検査では脳に異常がみられなかったにもかかわらず、事故から数週間たってから急に重い症状が現れることがあるため、注意深く経過を見守ることが必要です。

軽度外傷性脳損傷(MTBI)は、交通事故のほか、高所からの転落や転倒、乳幼児の揺さぶりなどでも発生することがあります。

MTBIの主な症状として、①集中や記憶の能力の低下、言葉能力や理解力の低下、情緒不安定といった高次脳機能障害、②手足の運動障害や知覚のまひ、③嗅覚や味覚、視覚などに異常を生じる脳神経のまひ、④吐き気やめまい、頭痛などを伴う自律神経失調障害、⑤精神不安定、⑥排便や排尿の障害、⑦てんかんなどがあり、患者によって様々な症状の違いがあります。

軽度外傷性脳損傷(MTBI)の後遺障害等級認定

上述の症状の中で、①のMTBIによる高次脳機能障害と判断された場合には、後遺障害等級認定の対象となり、症状の程度に応じた後遺障害等級が認定されうることとなります。

具体的な等級としては、重い順から、1級1号、2級1号、3級3号、5級2号、7級4号、9級10号、12級13号、14級9号の各等級が認定される可能性があります。

1級と2級は、常時または随時の介護が必要となる場合、5級、7級、9級は一定の労務能力が失われたと判断された場合、12級と14級は、労務は可能であるものの、局部に神経症状を残す場合に認められます。

具体的な判定手法としては、高次脳機能について、意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持久力、社会的行動能力の4つの能力にわけて評価し, それぞれの能力について、異常なしから最重症までの 6 段階で評価し、その結果に応じて各等級の認定をします。

後遺障害等級認定を受けるために

先に述べましたように、MTBIには様々な症状がありますが、後遺障害等級認定を受けるためには高次脳機能障害があると認定される必要があります。

MTBIによる高次脳機能障害があると認定されるためには、原則、頭部に外傷があり、意識障害が一定期間継続していたことが必要となります。

そのため、頭部外傷を示す画像所見がなく、事故時に意識障害がないか、ほとんどなかった場合、高次脳機能障害には該当せず、後遺障害等級認定が認めてもらいづらくなります。

自賠責事務所では、これまで高次脳機能障害の後遺障害等級認定については器質性精神障害を対象にしており、少なくとも画像診断で明らかな脳損傷が確認できなければ後遺障害等級認定の対象とはしてきませんでした。

しかしながら、近年、明らかな画像診断の異常所見がなくても、びまん性脳損傷がありうるとする考えも広まってきており、裁判でも争われるケースも増えてきています。

いまだ少数ではありますが、東京高裁、大阪高裁の判例で、意識障害がなく頭部外傷の画像所見がない場合であっても高次脳機能障害が発症していることを認定している判例もでてきました。

後遺障害等級認定の対象となるか悩まれている方は、一度交通事故被害の取扱い実績の多い弁護士に相談してみましょう。

後遺障害の申請にあたっての留意点

MTBIによる高次脳機能障害は、画像所見などがない限りは、外見からは発症の有無や程度を客観的に認定することが難しい症状です。脳へのダメージは様々な原因や複合的な要素が考えられるため、症状と事故被害の因果関係を証明することも重要です。

具体的には、現れている症状が、交通事故による脳外傷を原因とする高次脳機能障害であるということを、後遺障害等級認定申請にあたって示していく必要があります。

後遺障害申請に際して提出すべき書類としては、画像診断での脳からの出血痕を示す診断があれば強力な証拠となります。画像診断がない場合は、事故が、脳出血が十分引き起こされる程度の規模であったこと等脳に外傷があったことを裏付けるできるだけ具体的な証拠を提出しましょう。

例えば、大破した事故車両の写真などが考えられます。

また、事故直後に意識障害や記憶障害があったことについての証明資料も添付する必要があります。病院でのカルテや本人や目撃者の証言などが資料として考えられます。

また、事故によって高次脳機能障害の症状が発症したことを示すために、事故前は症状がなかったことや、事故後に現れている症状について、主治医の診断や家族からの日常生活報告書を提出します。

MTBIによる高次脳機能障害は、なかなか立証が難しい部類の障害ですので、後遺障害等級申請にあたっては、被害者申請という、被害者自らが自賠責事務所に対して後遺障害等級認定申請をすることが望ましいでしょう。

自賠責調査事務所に提出する書面については、意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持続力・持久力、および社会行動能力の4つの能力の各喪失状況について具体的に記載されるよう工夫が必要です。

後遺障害等級認定申請には他にも加害者の任意保険会社に代理で申請してもらう方法もありますが、被害者自らが申請することにより納得のいく主張立証資料を十分に集めることができるため、直接請求が望ましいでしょう。このときに弁護士に依頼し適切に認定を受けることができるように進めていくことが肝要です。

最後に

いかがでしたでしょうか。

軽度外傷性脳損傷(MTBI)の後遺障害等級認定申請について、ご参考になれば幸いです。

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