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入通院慰謝料の考え方と計算方法 - 宇都宮の交通事故弁護士

代表弁護士 伊藤 一星 (いとう いっせい)
弁護士法人宇都宮東法律事務所 代表社員(パートナー弁護士)
所属 / 栃木県弁護士会 (登録番号49525)
保有資格 / 弁護士

交通事故で怪我をして入院や通院をしたとき、入院や通院の期間に応じて慰謝料を請求することができます。
そこで、これから、慰謝料とはどのようなもので、どのように計算するのかについてご説明します。

入通院慰謝料とは入通院を強いられる精神的苦痛をお金にかえたものです

慰謝料とは、精神的苦痛に対する損害賠償のことです。

交通事故によって怪我をすると入院や通院をしなければなりませんが、普通の人にとって病院に行くことは苦痛であるため、入院期間と通院期間の長さに応じて慰謝料が認められます(入院期間や通院期間が長ければ長いほど、高額の慰謝料が認められることになります)。

つまり、入通院慰謝料とは、入通院を強いられることの精神的苦痛お金に換算したものといえます。

入通院慰謝料の対象となる入院や通院の期間は治癒(なおったとき)又は症状固定のときまでです

基本的に、入通院慰謝料を計算する前提となる入院や通院の期間は、交通事故を原因として発生した怪我が「治癒(なおったとき)」までです。

ここで「治癒(なおったとき)」とは、傷病に対して行われる医学上一般に承認された治療方法(療養)をもってしてもその効果が期待しえない状態(療養の終了)をいいます。かつ、残存する症状が自然的経過によって到達するものと認められる最終の状態に達したときを「症状固定」といいます。

つまり、入通院慰謝料の対象となる入通院期間は、完全に治癒したときはその時点まで認められますが、完全な治癒に至らなくても、これ以上治療を続けても改善しないと判断されたとき(症状固定)はその時点までしか認められません。

入通院慰謝料は裁判基準で計算しなければ損をします

交通事故による怪我が「なおったとき」には、通常は加害者の任意保険会社から示談提案書が郵送されます。示談提案書には、大抵は示談金の計算根拠を示した明細書(治療費がいくら、交通費がいくら、入通院慰謝料がいくらなどが記載された一覧表)が添付されています。

多くの人は、「大企業である損保会社が計算したから間違いないだろう」と考えて提示された示談金に疑問を持たず、求められるままに署名捺印して返送してしまいます。

しかし、任意保険会社が自発的に正当な損害賠償金を提案することは絶対にないと考えたほうがよいでしょう。

日本国内で法的紛争が発生したとき、それを最終的に解決する役割を担うのは裁判所です。そのため、裁判所の判決で示された金額が正当な損害賠償金となります。

もちろん裁判所の判決は個々の裁判官が1つ1つの個別具体的な事件の特殊性を踏まえながら書くものですから、そこには担当した裁判官の考え方が反映されます。しかし、裁判官は、判決を書く際は、全国どこの裁判所でも同じ水準の司法サービスを受けることができなければならない(良い意味でも悪い意味でも突出した判決は望ましくない)とも考えますので、他の裁判官や高等裁判所の裁判官であればどのような判決になるのか(相場)を意識しています。この相場を整理したものが「裁判基準」と呼ばれるものです。

被害者の弁護士が加害者の任意保険会社と交渉する際は、当然のことながら「裁判基準」に基づいて計算した損害賠償金を支払うように求め、それに応じなければ裁判にします。裁判になると、裁判所から裁判基準に基づいて計算した和解金の勧告がなされ、双方がそれに応じれば和解が成立し、応じない当事者がいれば判決となります。

これに対し、加害者の任意保険会社が被害者に対して提示する示談金は、裁判基準ではなく、それよりも低い任意保険基準で計算されたものであることが通常です。

そもそも、車の所有者は必ず自賠責保険に加入しなければなりません(自賠責保険に加入しない人には懲役刑を含む刑罰が科されます)。自賠責保険は、被害者救済の見地から、十分な金額ではないものの一定の金銭を保険金として支給します(自賠責保険の計算基準を「自賠責基準」といいます)。

加害者の任意保険会社は、自賠責基準の範囲内であれば自己負担金がゼロで済むため、本音では「自賠責基準の範囲内で示談したい」と考えていますが、それでは余りに低額すぎて被害者が納得しないため、自賠責基準に少し色を付けたものを任意保険基準とし、任意保険基準に基づいて計算した金額を被害者に提示するわけです。

つまり、金額の大きい順に並べると、裁判基準>任意保険基準>自賠責基準となります。

したがって、入通院慰謝料についても、裁判基準で計算しないと損をすることになります。

入通院慰謝料の計算方法は決まっています

入通院慰謝料の計算方法は決まっており、民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(通称 赤い本)に掲載の一覧表に載っています。
弁護士や裁判官は、その一覧表を確認し、入院●か月のラインと通院●か月のラインが交わったマスの数字を入通院慰謝料として請求したり判決を書いたりします。

裁判基準で計算した入通院慰謝料を獲得するには弁護士に依頼するしかありません

裁判基準で計算した入通院慰謝料の一覧表は、「慰謝料 裁判基準」というキーワードで検索すれば簡単に入手することができます。しかし、それを見て自分で加害者の任意保険会社と交渉しても、入通院慰謝料を増額することは容易ではありません。なぜなら、弁護士であっても、裁判をしなければ、裁判基準で計算した損害賠償金を受け入れさせることは困難であるからです。

当事務所では、相談料や着手金は完全無料、報酬についても完全後払いとさせていただいておりますので、費用のご心配をすることなく、ご相談はもとより、裁判による解決まで安心してご依頼いただくことができます。また、既に相手方から示談金が提示されているときは、増額しない限り弁護士費用をご請求することはありません。県内の全事件に対応いたしますので、皆様からのご相談のお電話をお待ちしております。

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